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胸鎖乳突筋とトリガーポイント

胸鎖乳突筋のトリガーポイントは、頭痛や肩こりの原因になります。
本記事では、胸鎖乳突筋のトリガーポイントについて、詳しく解説します。
胸鎖乳突筋のトリガーポイントについて興味のある方は是非ご覧ください。

胸鎖乳突筋の基礎知識

胸鎖乳突筋は頸部を覆い、両側から前部に走っている筋肉です。

胸鎖乳突筋の名称は、胸骨と鎖骨を起始とし、乳様突起に停止することに由来します。胸鎖乳突筋にトリガーポイントができると、顔面に関連痛が放散するため、三叉神経痛と間違われることがあります。

胸鎖乳突筋の基礎知識

神経支配

胸鎖乳突筋は、第Ⅺ脳神経(副神経)と頸神経叢(第三枝、第四枝)の神経支配をうけます。これらは僧帽筋の神経支配と同じであるため、両者は相互に影響を与え合う可能性があります。つまり、胸鎖乳突筋が悪くなれば僧帽筋も悪くなる可能性があるということで、逆もしかりです。胸鎖乳突筋にトリガーポイントがあると、僧帽筋にもトリガーポイントを認めることがよくあります。

解剖

  • 【起始部】
    • [胸骨頭]胸骨柄の腹頭側
    • [鎖骨頭]鎖骨の内側1/3の上縁
  • 【停止部】頭乳様突起の外側、上項線の外側1/2

胸鎖乳突筋は、付着部の違う2つの筋により構成されます。

働き

胸鎖乳突筋の主な働きは、頭の向きを変えることです。胸鎖乳突筋は、脊椎関節を支点にして、首の回旋、屈曲・伸展を行います。逆に、身体が動いている際には、頭の位置を安定させる役割もあります。さらに、胸骨と鎖骨の挙上に寄与します。頭の角度によっては、呼吸の際に使われることもあります。

胸鎖乳突筋のトリガーポイント

胸鎖乳突筋にできるトリガーポイントの好発部位は特になく、胸骨と鎖骨に付着する2本の筋肉において、全長にトリガーポイントが認められます。

トリガーポイントの位置と関連痛領域

胸鎖乳突筋のトリガーポイントの位置と関連痛領域を下図に示します。訴えのある関連痛領域から、原因となるトリガーポイントを探索することで、的確な治療につながることが考えられます。

胸鎖乳突筋のトリガーポイント
  • トリガーポイントは、胸骨頭と鎖骨頭を起始部とする両方において、全体的に認められます。
  • 胸骨頭に付着する胸鎖乳突筋のトリガーポイントの関連痛では、眼球の深部、目の上、耳の後ろ、あご、起始部と停止部付近を中心に出現し、顔面全体に広がります。唾を飲み込む際に舌の痛みとして、症状が出ることもあります。
  • 鎖骨頭に付着する胸鎖乳突筋のトリガーポイントの関連痛では、耳の深部、前頭部に限局した痛みが出現します。前頭部の関連痛は、トリガーポイントのある胸鎖乳突筋の側ではない反対の前頭部に放散することもあり、注意が必要です。

トリガーポイントの原因

胸鎖乳突筋は、日常生活により常にストレスにさらされています。人間の頭は体重の10%程度(すなわち、5~6㎏)はあります。頭の方向を変えたり、安定させたりするために、胸鎖乳突筋にはこの重さの負荷がかかります。頭の位置を保持するための姿勢は、胸鎖乳突筋を持続的に収縮させることにつながるので、トリガーポイント形成の原因となります。上を向いて作業することは、胸鎖乳突筋にとってよろしくありません。腰痛等により姿勢が歪むと、頭の位置を保持するために胸鎖乳突筋の収縮が偏り、痛めることになります。突発的な事故(自動車の追突など)でも、胸鎖乳突筋は痛みます。ネクタイによる締め付け、慢性的な咳(ぜんそくなど)、背骨の歪み、脚長の違い、精神的なストレスなどによってもトリガーポイントが形成されます。胸鎖乳突筋は胸骨を上げる働きもしているため、胸式呼吸でも胸鎖乳突筋は使われることになります。

トリガーポイントによる症状

胸鎖乳突筋は頭部に近い位置にあり、頭部に関連痛を放散させることから、様々な感覚系に影響を与えます。胸鎖乳突筋にトリガーポイントがあると、知らなければ予想もできないような問題を引き起こします。胸鎖乳突筋のトリガーポイントが引き起こす症状には、痛み(主に頭部への関連痛)、関節可動域制限、自律神経症状、感覚障害、全身症状などがあります。

痛み(関連痛)

胸鎖乳突筋にトリガーポイントがあっても、この筋肉には痛みが生じません。付着部が胸骨頭と鎖骨頭の筋肉ともに、顔面・頭部へと関連痛を送ります(前述)。 胸鎖乳突筋のトリガーポイントによる関連痛は、三叉神経痛と間違われることがよくあります。

関節可動域制限

胸鎖乳突筋は、脊椎(頸椎)を支点として頭部を動かすので、胸鎖乳突筋にトリガーポイントができて、胸鎖乳突筋の機能が落ちるということは、脊椎(頸椎)の関節可動域が制限されるということになります。

自律神経症状

付着部が胸骨頭の筋肉と、鎖骨頭の筋肉で発現する自律神経症状が異なります。

  • 胸骨頭が付着部の胸鎖乳突筋にトリガーポイントができた場合
    • 上眼瞼下垂(眼輪筋の痙攣による)
    • 涙液の過剰分泌
    • 目の充血
    • 鼻水
  • 鎖骨頭が付着部の胸鎖乳突筋にトリガーポイントができた場合
    • 局所における血管収縮
    • 発汗

感覚障害

付着部が胸骨頭の筋肉と、鎖骨頭の筋肉で発現する感覚障害が異なります。

  • 胸骨頭が付着部の胸鎖乳突筋にトリガーポイントができた場合
    • 平衡感覚障害(立ちくらみ、めまいなど)
    • 悪心
    • 視覚障害(色覚障害、かすみ目など)
  • 鎖骨頭が付着部の胸鎖乳突筋にトリガーポイントができた場合
    • 聴覚障害

胸鎖乳突筋トリガーポイントと関連する内臓

  • 肝臓
  • 胆嚢

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