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トリガーポイントは体表上の圧痛を伴う筋肉のしこり(硬結)です。
肩こり、腰痛や膝痛の原因となります。
本項では、トリガーポイントの歴史、特徴、更にはトリガーポイントが原因となる
筋・筋膜疼痛症候群に伴う多岐に渡る症状について解説します。
トリガーポイントは、機械刺激に対する感受性が高まっている過敏点です。トリガーポイントが存在すると、その部位のみならず、身体の他の部位にも様々な症状を引き起こします。トリガーポイントは、筋や筋膜に好発しますが、骨膜、靭帯・腱、皮膚や瘢痕部など、全身の様々な軟部組織に存在することが知られています。
臨床上の治療標的としては、筋や筋膜に発生したトリガーポイントが重要となることが多く、
この筋・筋膜性トリガーポイントの臨床上の特徴をまとめると次のようになります。
このように、トリガーポイントでは、知覚神経、運動神経および自律神経の異常が複雑に絡み合った病態を呈しますが、日常診療では、これら全てを確認できることはあまりないため、まず、索状硬結の存在と刺激による症状(痛み)の再現を確認することが重要であると考えられます。
トリガーポイントに起因し、筋・筋膜の痛みを主訴とする一連の症状を筋・筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome:MPS)といいます。MPSは、トリガーポイントが原因となる最も重要な疾患です。
Simonsによると、MPSは、5の大基準と3の小基準から診断されます。
*診断には、5の大基準全てと、3の小基準のうち少なくとも一つを満たすことが必要。
これらの症状は、まさにトリガーポイントの特徴を示しており、MPSの治療においてはトリガーポイントへの対処が重要であるといえます。
MPSは肩こり、腰痛および膝痛などのような筋骨格系の疼痛疾患の原因となることに加え、神経根障害、椎間板障害、顎関節症、緊張型頭痛、手根管症候群、むち打ち症、過敏性腸症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛症および複合性局所疼痛症候群など、多くの疾患に併発することが知られています。トリガーポイントに対処することで、MPSが治療され、これらの疾患に良い影響を与えることも少なくないでしょう。
トリガーポイントが原因となる症状は極めて多岐に渡ります。治療をしても治らない次に示すような症状があれば、トリガーポイントの存在を疑ってみても良いかもしれません。
など。
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