局所に痛みがあると、中枢(脳)はその局所の血管を収縮させ、筋肉を緊張させます。すると、血液の流れが悪くなり、血液を通して送られる酸素や栄養が不足します。その結果、痛み物質が発生し、さらなる痛みを引き起こします。その痛みはさらに血管を収縮させ、筋肉を緊張させ、同じ現象を繰り返します。これは『痛みの悪循環』と呼ばれており、この悪循環に陥ると症状は慢性化していきます。もともとの痛みの原因がなくなっても、この痛みの悪循環が残っていると、いつまでも痛みが取れなくなるのです。痛みの悪循環とともに、トリガーポイントは作られ、悪化して、肩こりや腰痛、膝痛の慢性的な原因となります。
トリガーポイント注射は、『痛みの悪循環』を末梢で断ち切る治療法です。トリガーポイントが起点となり形成されている『痛みの悪循環』であれば、トリガーポイント注射により解消できます。トリガーポイント注射は、トリガーポイントで発生している痛み物質を洗い流し、薬剤によっては興奮している知覚神経を鎮め、痛み物質の新たな発生を抑制できるからです。トリガーポイント注射は、痛み治療を行っている医療機関で受けられる、簡単な治療法です。トリガーポイント注射に使用する注射針は細いため強い痛みは感じませんので、注射嫌いの方でも安心です。